11月27日、完成を祝してCDコンサートを行いました。
その場で、NPO法人北九州ホームレス支援機構の奥田理事長が、谷本仰さんにインタビューをされました。
大阪の大学時代に2人は出会い、釜ヶアで「平和で豊かだと思っていた日本」の本当の姿を目の当たりにし、〔信じていた世界〕を疑う体験をしたことから、今に続く支援活動が生まれてきたとのこと。
そのインタビューから曲にまつわるお話しを、少しづつご紹介します。
(この文章は支援機構のニュースレター8号に掲載されたものです。)
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『わたしのあおぞら』の空は、夕暮れの空。歌詞にある「灯影(ほかげ)」は、外からみる家のあかり。家に帰ってゆく時の、嬉しいような切ないような気持ちがうつる空。
『仕事さがし』ライブで歌い始めたのは奥田氏のリクエストだった。就労支援の現場そのもの。仕事は「探せばある」というものじゃない。苦しい時こそ笑い飛ばす気持ちを持たないと闘えない。それでも出かけよう、一歩出よう!
『初恋』なぜあの時自分は、ああだったのか、どうしてこうなったのか、わからない・・・支援住宅の仲間と昔のことを語らうと、そういう言葉が出てくる。誰にでも「過ぎし日」を思う時の、涙がある。それを重ねて選んだ一曲。
『影を慕いて』は、作詞・作曲の古賀政男が死の淵をみたあと、今は居ない人を思って作った歌。どうすることも出来ないが「ただ思う」ことが切なく深くひびく。
『THE ROSE』言葉を切りつめることで多くを語るために自分で翻訳した。歌詞には相反する事柄が表現されている。「いいか悪いか」のわかりやすい二元論ではいのちのことは語れない。安心は変革の中に、希望は闇の中に、あるのでは。
『自転車にのって』・・・自転車に乗って“歩きたい”って?それは自転車=目的に向かって走る、じゃなくて散歩のように「歩く」ように乗る楽しさ。無目的の時間の豊かさ。
『友よ』キミはボクの友、と言うってことは「ボクはキミの友であるよ」って宣言すること。腹を割って付き合っていくぞ、と責任を引き受けるってこと。出会ったみんな、友になろうよ。
『上を向いて歩こう』震災前に選曲した時は、「亡くなった方」を思う歌だと感じてたが、震災後は死者を思いながら「生きている人」の姿が浮かぶ。この歌において「ひとりぽっち」は孤独でしんどい、ということばかりじゃない。ここに立つ「わたし」としての尊厳を持っている。
『星空のタオ』も『こうてい』も、追悼の思いに満ちている。そして『七つの子』で、母のもとへ還る。・・・生まれてきてくれてありがとう。ようこそ、いらっしゃい。おかえり。