2011年11月12日

奥田知志さんよりのメッセージ

NPO法人北九州ホームレス支援機構の理事長:奥田知志さんから寄せられたメッセージの一部です。
全文はCDブックレットに掲載しています。


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 タイトルが「わたしのあおぞら」だと聞いたとき、僕の中には「日本晴れの青空」ではなく、少しさびしく、だが、あたたかい夕暮れ時の「あおぞら」が浮かんだ。
 なぜだか知らないが、谷本さんの歌の風景はそれだった。

 ホームレス支援23年。出会いは常に「あおぞら」の下だった。
 出会いとは「出て行って会うこと」。出かけていく僕らを「あおぞら」が見守ってくれていた。

 「青かん」という言葉をご存じか。「青空簡易宿泊所」のこと。
 当事者は「野宿」と言わずそう言った。苦し紛れのユーモアか。
 いや、「野宿」せざるを得ない者が、卑下に飲み込まれまいと誇りをかけてそう呼んだのだ。

 ならば「あおぞら」は彼らの「わが家」に他なるまい。社会は彼らを排除し続けた。
 そんな時、追われゆく者たちを無条件に受け止めたのは「あおぞら」だった。
 「あおぞら」のように彼らと出会いたい。そんな支援をしたいと願ってきた。

 このアルバムが、さびしくもあたたかいのは、「あおぞら」が天国へと通じているからに他ならない。
 先に天へと上った人々が「あおぞら」の上から僕らを見守る。
 力足らずの活動だが、そんな「あおぞら」に見守られ明日も続ける。

 前作以上にこのアルバムは普遍性を保持する稀有なものとなった。
 それは、ホームレス支援がもつ射程と軌を一にしている。

 だから野宿者はもとより、愛する者を失った人、生きることに疲れた人、不安に眠れない人、そして津波によってすべてを奪われた人、原発事故被害者、すべての人々にこのアルバムを贈りたい。

                  NPO法人北九州ホームレス支援機構 理事長 奥田知志
posted by わたあお at 22:10| Comment(0) | CD内容について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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